職人技!削りをご紹介
こんにちは!美山陶遊館のKです。
先日(といっても1か月以上前ですが…)、MBCテレビさんにて、美山陶遊館をご紹介いただきました!
皆様はご覧になられましたでしょうか?
ちなみに私は、館長からの放送案内の連絡にも気づかず見逃してしまいました…
ですが、ありがたいことにMBCテレビさんのサイトに動画がアップされています!
動画はこちら!↓
https://blogs.mbc.co.jp/mbcnews/cat_feature/19180/
見逃された方、県外の方は、ぜひそちらでご覧ください。
美山のおいしいカフェも紹介されていますよ。
ちなみに、美山に関していいますと、先日(こちらは数日前です!)NHKBSの番組にて15代目沈壽官さんが出演されていました。
どうやら歌手・俳優の吉川晃司さんが美山に来られていたみたいです!
気づきませんでした…
こちらは現在のところNHKオンデマンドでしか見られないようですが、再放送があるといいですね~
さて、今回のブログですが、前回に引き続きましてお仕事紹介をしたいと思います。
お客様に作っていただいた作品は、そのまま焼いて終了というわけにはいかず、その後いくつもの工程を経ることで完成します。
とくにロクロ作品の場合、「削り」という工程が必要となります。
今回はこの「削り」というお仕事を紹介します。
「削り」について
削りとは…
「削り」という工程は、お客様が体験で作っていただいた(工程上は成形と呼びます)作品がある程度乾燥してから表面や裏底を削るという作業のことを指します。
この作業によって厚みを整え、高台(こうだい)をつくり、外観の最終仕上げを行うことができます。
というように、削りについて簡単に説明しようとすると以上の内容となるのですが、正直に申しますと、これでなぜ削りを行うのか、その理由が分かる方は、陶芸についてすでに知識があります。
今回のブログを読む必要はありません(笑)
というわけで、もう少し詳しく説明をしていきます。少し長くなるかもしれませんが、お付き合いのほどお願いいたします。
削りの理由その1
まず、成形の終わった作品、つまり体験でお客様が作られた作品ですが、この状態のままで乾燥させて焼くと、ほぼ確実に割れてしまいます。
これは、作品の粘土の厚みに差があることが原因です。
成形後、粘土はどんどん乾燥していくのですが、粘土の厚いところと薄いところでは、乾燥の度合いが異なります。
粘土は乾燥すると縮むのですが、乾燥度合いが違うと縮むスピードも変わってきてしまい、早く乾いた部分に遅く乾いた部分が引っ張られてしまうのです。
そうなると、その引っ張る力によってひびが生じてしまいます。
この収縮によるひび割れを防ぐために、粘土の厚みをできるだけ均一にする必要があるのです。
また、厚い部分を削ることで、重さを軽くすることにもつながります。
もちろん、成形を行う際にも厚みを整えることは可能ですが、ある程度乾燥をさせて硬くなってから行うことで、微調整を行うことができます。
とくに、底や作品の下部の厚みを整えるためには作品をひっくり返す必要があるため、乾燥して変形しない状態になるまで待ってから行わなければならないのです。
これが、削りを行う1つ目にして最大の理由です。
削りの理由その2
次に、削りを行う2つ目の理由ですが、高台(こうだい)を作ることができます。
この「高台」と呼ばれる部分、皆様はどこか分かりますでしょうか。
器や陶芸に興味のある皆様はご存じかもしれませんが、お茶碗やお皿の裏にある足の部分。
下の写真の部分が高台と呼ばれるものになります。
高台には、指が引っ掛かり持ちやすい、置いたときに持ち上げやすい、転がりにくい、熱いものを入れても手まで伝わりにくいなどといった、さまざまな実用上の利点があります。
ほかにも、実用のみならず、釉薬で窯の底とくっつきにくくなるなどといった作業上の利点もあります。
また、抹茶碗などの茶器を中心に、高台のついたその姿が好まれるといった、見た目においても高台が必要とされることがあります。
そしてこの高台は、ロクロ作品の場合、下の写真のように削りで作ることが多いのです。
他にも、別で高台を作って取り付ける方法や、手ひねりでは周りの粘土を寄せて作るといった方法もあります。
なお、ボウルやスープカップといった作品では、高台を作らないこともあります。
イメージとしましては、和風なお茶碗やお湯呑み、丼などでは高台あり、洋風なサラダボウルやスープカップでは高台なしといった感じでしょうか。
ちなみに、高台なしとは言っていますが、粘土の厚みによっては底の見えない部分を削るため、ひっくり返すと高台がついているように見えることもあります。
難しいですね(笑)
一部の作品ではつけないとはいえ、高台を作ることができるというのが、削りを行う2つ目の理由でした。
削りの理由その3
では最後に、削りを行う3つ目の理由です。
高台を作る理由を挙げた際にも少し出てきましたが、外観、見た目を整えるという理由です。
ロクロでの作品制作においては、成形の段階でおおまかな形はほとんど完成しています。
ですが、削りを行うことによって、全体としてのバランスを整え、最終的な完成形を決めることができるのです。
とくに、削りは乾燥して少し硬くなってから行うため、成形時の柔らかい状態の粘土では行えない高台作りや、繊細な微調整を行うことができます。
ちなみに、削りの工程では微調整のみならず、彫刻や模様の細工を行うこともあります。
薩摩焼では、白薩摩における「透かし彫り」という技法が代表的なものでしょうか。
透かし彫りについては、また他の機会に詳しく説明したいと思います(いつになるか分かりませんが…)
こうした白薩摩の作品の場合は、とても細かな精度で仕上げられていきます。
削りを担当する美山陶遊館のスタッフYいわく、以前茶筒を作った際には、気密性を高くする必要があったため、これ以上縮まないくらいまで乾かした後削っていって調節を行ったそうです。
この際は、蓋を上にのせると、自重でゆっくりと落ちていくくらいピッタリに仕上げていたそうです。
まさしく、職人技で行っているというのが分かるエピソードだと思います。
お客様に体験していただいたロクロ体験の作品も、こうした職人たちが1つずつ手作業で削りを行い、焼き上げております。
現在、陶芸体験をされたお客様には焼き上がりまで2か月以上と、かなりのお時間をお待たせしておりますが、こうしたさまざまな作業があり、お時間をいただくということをご理解いただければさいわいです。
それでは、今回のブログ作成は、削りは見ていて飽きない、Kがお届けしました。
ご覧いただきありがとうございました。
美山陶遊館instagramもあります。そちらもぜひご覧ください。
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美山陶遊館は毎週月曜日休館です。月曜日が祝日の場合は翌日がお休みです。
美山陶遊館
住所:鹿児島県日置市東市来町美山1351
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